空海

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空と海と その⑤  高樹多悲風

<空海の書は画と見える:[翻」> 場所と時とを、、、長安に戻す、、、、。 「窓を開けよ、、、」 空海は、言われるままに、恵果の枕元に近い窓を開けた。 十二月の冷気が、部屋に入り込んできた。 、、、 「空海よ、そなたにもはや授けるべきものはな...
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空と海と   その4(mantra  )

ジェット機の飛行雲のようだ、、、、と思う、、、 先端は、凄まじい轟音と共に一条の白雲を湧き起こして突き進む、、、 しかし、、 次第に線は広がり、、薄くなり、、、最後は、空中に溶けて、透明化し、なにも無かったような青空がある、、、、、 凄まじ...
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空と海と  その3( 長安)

長安の都の、雑踏の中に空海はいた、、、、 人混みが大きな輪を作っている、、中にはペルシャ生まれの少女が舞っている、、 「肌膚は玉の如く、鼻は錐のごとし」と詩人李端は書いた、、、 その美しい少女が舞っている、、 空海は人混みの後から、伸び上が...
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空と海と   その2(桓武天皇)

大学寮を中途退学した空海は、その後7年の間消息不明となる、、、その間、、社寺仏閣を訪ね、、山野霊峰を歩き、、修験道者や山の仙人との対話をしながら、、、当てどなく彷徨い、、やがて、、私度僧となったと思われる。 当時、律令国家の中で、正式な僧に...
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空と海と  その1(三教指帰)

<遣唐船の復元模型> 仏教経典の中に、度々出てくる用語がある、、、、、、 「波羅密多(はらみった)」 これは修業の基本項目を指す、、、六波羅密は次のとおり ①布施(ふせ) ②持戒(じかい) ③忍辱(にんにく) ④精進(しょうじん) ⑤禅定(...