久しぶりに会った学生時代からの友人亀田氏から本をもらった。
江戸時代の儒学者 貝原益軒が1713年83歳の年に世人後生のために書いた「養生訓」という書の現代訳本。
人の身は父母を元とし、天地を初めとす。天地父母のめぐみをうけて生まれ、また養われたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこひやぶらず、天年を長くたもつべし。
是天地父母につかへ奉る孝の本也。身を失ひては、仕ふべきようなし。
わが身の内、少なる皮はだへ、髪の毛だにも、父母にうけたれば、みだりにそこなひやぶるは不幸なり、況や大なる身命を、わが私の物として慎まず、飲食色欲をほしいままにし、元気をそこなひ、病を求め、生まれ付きたる天年を短くして、早く身命を失う事、天地父母へ不幸のいたり、愚かなる哉。///////////////
まさに生きることの大切さと、そのための術を身に付けなければいけないことを説く。
その内容は、具体的な項目に短文でダイレクトに言い切る。
頑固なおじいさんから説教を受けるつもりで読み続けるといい。
おじいさんを知らない私には、大きくて優しい江戸、明治のジーさんと接するおもいである。
命を粗末にする昨今の事件を考えるに、こんな術こそ教える師(学校の先生ということではない)が必要だと思えるのだ。
当然に飲食に関しても巻第三、第四ときめ細かい。
時代背景を考えても充分に役に立つ内容です。
そろそろ自分もジーさんと言われる年なみになった。
故人の知恵と生きさまをしっかりと受け入れられる生活にしなければと思う。
コメント