社長の酒

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土曜日の午後に古い友人が一本の酒を携えて家に来た。
限定醸造 吟醸酒「社長の酒」 埼玉県小川町 松岡醸造 とある。

じつは、この銘柄には20年前の、埼玉のある酒場での思い出がある。

その日も友人と二人で酒を交わしていた時、「実は俺、会社辞めるわ、、、自分で会社を興すんだ」
しこたま酔っ払っていたので、正確には覚えていないが、たまたまその時の店の棚にこの酒「社長の酒」があった。
「オヤジー、この酒10本予約するから置いといてくれ-」といって予約をしたそうだ。
翌日酔いが覚めて、なんとなく先走ったかなと反省していたが、その後
飲み屋から「「社長の酒」10本予約しましたけどどうしましょう?友人に問い合わせがあったそうな。

正直、バツが悪く取りに行けませんでした。

だが、更にまずい事に自分の決意表明を名刺の裏に記し、
「もし社長になり、、、、、のようなことがあれば50万円お渡しします」と訳のわからぬ約束状を友人に渡していた。
その後、永らくその約束状は人質となって友人に保管されてしまった。

一昨年に手紙とともに、20年ぶりにこの「約束状」が変換されたのだが、「社長の酒」のことは忘れていた。
「あなたに渡そうと思ってさ」と言って今回プレゼントされた。
一時間ほどしゃべっって友人は帰っていったが、おかげ様で50万円を渡す必要はなかった。

いまじゃ、「社長の酒」などという気張ったものなど気にとめることもないのだが、当時は思いつめていたんだろうな。
今でも飲み屋のオヤジには悪いと思っている。スイマセンあの時の酔っ払いは私です。
一本だけですが友人が買ってくれました。
そして、約束は果たすことができました。みなさんホンとにありがとう。

だけどさ、気のせいか酒が黒の喪服にみえるんだよな。お墓にも見えるし。あ-あ昔の気力はどこへ、、、。

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